CASADÉCHA1472

こうしたい、という意思よりも
古ものとの出会いが
場をつくった

ある日車を走らせていたら不動産屋の看板が目に入りました。
和歌山県・岩出市の根来寺のすぐそばでした。
裏には池と中世から建っている大門があって、緑に囲まれた静かな場所です。
実は和歌山には「こんな店があったらいいのに」という店が少ないのです。
例えばしらすの産地なのに、しらす丼が食べられる店がない、という具合に。
この物件を見た時「これはもう、僕がやるべき店だ」と
半ば勝手に思い込んで、すぐ不動産屋に電話しました。
そこは元は根来寺のお茶所として建てられた建物で、
お好み焼き屋やカラオケ屋として使われていました。
建物の所有者がわからず、契約に時間がかかるというハプニングもありましたが
その間じゅう、ずっとそこに通っていたら、
お茶というキーワードが浮上したので
「お茶の香りを楽しむ場所にしよう」と決めました。
根来寺はポルトガルから伝わった鉄砲とゆかりが深いことから
外壁はポルトガルの市電の黄色にしよう、とだけ決めて
あとは古材との出会いやライブ感を楽しむリノベーションでした。
契約が済んで、中の粗大ゴミを処分していたある日、
古い枕木を400本もらえることになりました。
これは「枕木で店をつくれ」という天の思し召しかと、
来る日も来る日も枕木を積む日々が始まりました。
床も壁も枕木を積み、モルタルを塗っていくうちに
何となくポルトガル情緒も醸し出されてきました。
いまはお茶を主軸にしつつ
スコーンやドーナツを楽しむ店として営業しています。

CASADÉCHA1472
add:和歌山県岩出市根来1472
tel : 0736-62-5177
open: 不定期(詳しくはNewsをご覧ください)